Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://trumpe3128.blog.fc2.com/tb.php/145-23f122bf

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

ライトノベルを『売る』ということについて最近思うこと

先日参加してきた講演「ラノベのすゝめ講演会」で白鳥先生や編集の方から伺った意見は僕の中で表題にもかいた「ラノベを売る」立場での考えを改めて再認識するきっかけになりました。

僕が地方の書店でラノベ担当をしている中での一つのテーマが「地方の書店からでも発信できる何かがあるのではないか」ということがあります。だからこそ「ラノベ好き書店員大賞」のような企画を立ち上げたわけです。これは僕のラノベ担当の経験の中で、一つの成果となりつつあります。

それまでは単純に「売上を伸ばすためにはどうすればいいのか」というのに全力を傾けていました。
ラノベ担当になって最初の1~2年は、売り場の改築(棚割の変更等)や、自分の中で「売上を取る」ためのシステム作りに費やしました。複雑な本の流通を知り、その上で自分の店にどれだけ売れるタイトルを必要数確保するか。当日夜には売り切れるような新刊をどうやって確保し、そして売上を伸ばして、次回の配本を上げるか。そういった作業の毎日でした。
そんな作業を日々繰り返すことで、実績があがり、新刊の配本に関しては発売日前後に八方手を尽くして追加を確保しなくても問題ないぐらい初期配本がつくようになりました(ラノベの新刊は実績を元に出版社や取次が調整していることが多い。今は事前発注できるレーベルが多いけど、これも実績を上げたから事前をうけつけてもらえるようになったため)。
そうやって自分の中で売上を取るシステムを確立し、新刊に関して十分数確保できるようになり、じゃあ次に売上をどうするかとなった時、「ただ同じ店で売り続けるだけではつまらない。もっと何か出来ることがあるのではないか」と考えるようになり、上で言っていたことを思うようになったわけですね。

僕の遍歴はともかくとして。

そういった、自分の店の外に情報を発信したり、何か動きを起こすと言うことも重要だとは思うのですが、今改めて考えた時、「本当に自分の店の中でできることはやりつくしたのだろうか?」ということです。
3年ぐらいかけて、僕が担当始めた当初より、月の売上冊数の平均は大きく伸ばす事ができました。これはライトノベルというジャンルがちょうど成長の最盛期で、それに乗っかる形ということもあったのですが、それでも相当数伸ばしたと自負はしています。
ただ今年に入ってからは仕事を請け負うジャンルが増えたということもあって、今までよりラノベ棚にかける時間が少なくなったということもありますが、売上はそれほど伸びなくなってしまいました。
個人的な主観ではありますが、現状ライトノベルを買う客層のパイというのは発掘しつくした感があったのです。

そう思っていたのですが、先の講演を受けて上記のように「本当に自分の店で出来ることはやりつくしたのか?」ということに繋がってくるわけです。

数年担当をしてくると、「どのジャンルがどれだけ売れるか」というのが見えてくるようになります。ある程度ジャンルごとに必要数が自分の中で構築されるわけです。
確かに「売れる」ジャンルを売り伸ばしするアンテナは伸びているでしょう。
でも最近思うのです。

「売れない」ジャンルは本当に「売れない」のか? と。「売ってない」だけなんじゃないかと。

売れないジャンルというのは、売れるジャンルと同じ条件で売れなかったというのは一つの事実です。この「同じ条件」というのは、「新刊台に並んでいる期間」「同じ平台に並んでいる状態」という条件です。
書店員と言うのは、「新刊台」「平台」「棚」の大まかにわけて3つのスペースで売り場を管理しているので、「人目に触れる新刊台と平台にあって売れなければ売れない」というのは確かに一つの大きな指針となるでしょう。そういった繰り返しで、自分店での客層や売れるジャンルを把握していくわけですね。
ジャンルはともかく、最もわかりやすく例をあげるとしましょう。

例えば「電撃文庫は売れるけど、一迅社文庫は売れない」

という店があるとしましょう(というか大概の店がこれに当てはまると思いますが)別に一迅社文庫に限らず他のレーベルならなんでもいいです。
この場合、売れる電撃文庫に力を入れて販売するのは確かに楽に売り伸ばしできるし、一迅社文庫を置くスペースに電撃文庫を置けば回転率も上がるでしょう。
全く誰も手を入れていなかったラノベ売り場で売上を伸ばすには確かに電撃文庫に力を入れるのは簡単だし、最初の1年はこれだけで実績がどんどん伸びていくでしょう。
しかし、電撃文庫を限界まで売り伸ばししてしまったら? 次はなにを売ればいいんでしょう? 売上が落ちてしまった時、原因はどこにあるのでしょうか?
そうなった時、書店員の言い訳は十中八九こうです。

「売れる新刊が発売しなかったから」

確かにSAOや禁書が発売した月は売上が伸びるでしょう。でもそういうビッグタイトルが発売しない月は何を売ればいいんでしょうか? そこで思考停止せずに「他に売れるアイテムを探す」努力をする書店員が少ない気がします。
なぜなら売上がとれなくとも大多数の書店員の給料は変わらないからです。むしろどれだけ売上を伸ばそうとも給料は殆ど変わりません。まぁこの辺は経営者次第ではあるのですが。
書店の流通の関係上「書店に到着した商品をただ並べるだけでも『仕事』は成り立ってしまう」という現状があり、「売上を伸ばしても落としても給料は変わらない」という条件では、多くのアルバイトスタッフさんは「がむしゃらに売上を取るために頑張る」ということはしないというのが現実。
まぁ全く頑張らないということはないのでしょうが、「売上おちちゃったのかー。まぁしょうがないかな」ぐらいの認識の方が殆どじゃないでしょうか。
運営する側(社員という立場の人が特に)はこういうアルバイトスタッフさんたちにどうやってそういった意識を持たせていかせるかというのが課題の一つですね。

閑話休題

書店の運営はともかく、現場での意識はこんなものということです。

つまり、僕が言いたいのは「他に売れるアイテムを売る工夫をすることが重要」ということです。
先の例で言えば、一迅社文庫というのは本当に「売れないアイテム」なんでしょうか? 「売れない」と決めつけて、目を向けていないだけなのではないか? 確かに電撃文庫と同じ条件では売れないかもしれませんが、他のアプローチではどうか? 「売れない」という自分の認識が間違っているのではないか? 
この辺の「売れる売れない」基準と言うものは、担当が長ければ長い程、固定観念的に沁みついていってしまいます。
売れるアイテムを認識すれば確かに限られた売り場を効率的に使って結果を出す事ができるでしょう。しかし、そういう売り場作りが長ければ「新たな客層」を掘り起こす事も出来ません。

先の講演で書店員の方は「ラノベ業界は今後どうなっていくと思うのか?」という問いに対して
「作品作りが内向き(ラノベ読みの人たちしか楽しめない方向性)に向かって行っている気がする。こういう状況を打破するために、「のうりん」のような冒険的な作品をリスクはあるだろうがどんどん生み出していって欲しい」
と応えていました。
これは、書店の売り場作りにも全く同じことが言えると思います。つまり「売れるジャンルだけを安定的に売るのではなく、リスクがあるだろうが、冒険的な売り場を作ってを作って言ってもいいのではないか」ということ。
電撃文庫と一迅社文庫の例にとれば、今まで電撃文庫ばっかり置いていた平台やフェア台に一迅社文庫を大きく展開してみるとか。
一迅社文庫は今まで売れていなかったレーベルだけど、大きく展開すれば、今まで認知されいていなかった客層に対してアプローチできるかもしれない。そうすればまだまだ売り伸ばしできるかもしれない。
こういう売り方は、確実に売れるであろう商品を置かずに売れるかどうかわからないアイテムを展開するわけですから、正直大爆死する可能性もあります。が、先に言ったように「売上が伸びても落ちても評価は変わらない」のであれば、別に売上おとしてもいいんじゃない? 出版社側としてはリスクを負って尖った作品出して売れなかったら作家さんも出版社もダメージでかいけど、書店側にとっては返品できるし、それほどリスク少ないじゃん? って思えばいいんじゃなかろうか。
「なんで売上落したの?」って言われたら「今後さらなる売上を伸ばすための冒険的な売り方を考えています!」って言えば問題ないと思います。
とはいえ、他の部分である程度売上をとっていることは必要になりますし、売れたであろうアイテムに変わり、売れるかどうかわからないアイテムを置くわけですから、「売る努力」というのは当然必要だということは言うまでもありません。ただ適当にアイテムを並べるのではなく、「どのアイテムをどの期間でどれだけの数売るか」というのはある程度ビジョンを持ってフェア作りなりなんなりはしなきゃいけないですよね。

実際いままで売れなかったアイテムが売れたという事例はいくつも知っています。例えば、熟練の文庫担当のスタッフさん(文庫どころかあらゆるジャンルの売上とりまくってるめちゃくちゃ凄い人)は自分の店では時代小説は全然売れないって思ってて、今まで全く展開していなかった。店長が「時代小説のフェアやりたい」って言った時も大反対して、全く乗り気じゃなかったのに、実際やってみたら予想以上に結果がでて、そのフェアしてから時代小説の客層が増えた。というエピソードがあったりもします。このフェアは入口まで大きく展開して成功したのですが、
今まで置いていなかった場所で注目を集めて、これまでいなかった客層を呼び寄せたというこれは「売れないアイテムを展開によって売った」といういい事例ですね。
逆に、入り口前でラノベ大展開して大爆死したという事例もあったりするのですが……まぁこういうこともあるし、やらなければやらないなりの売上しか取れなかったわけですから方向性としてはアリだと思います。

偉そうにこんなこと言ってますけど、こういうの思うのホントに最近になってからなんですが。「今までやってこなかったことをやってみる」「常識を変える」というのはこれからの書店業界全体でやっていかなければいけないことじゃないかなと思います。

それなりに売れそうなタイトルを生み出して、それなりの数を売ればそれなりの利益は確保できます。しかしそれなりはそれなりでしかありません。そんなぬるま湯につかっているだけでは業界は衰退していく危険性があります。
出版がリスクを負って、今までにないジャンルのタイトルを生み出すなら、書店側も同様のリスクをしょって展開していくスペースがあってもいいんじゃなかろうか。

今までにないタイトルを出し、それまでにない売り方で売る。それも確かに重要ですが、例えば、出版側も店ごとの「客層」「立地」「強いジャンル」「売り場面積」を徹底的にリサーチする。その上でそれぞれの条件ごとのお店をいくつかモニター店としてそれぞれの書店員さんと協力し、1巻を大きく展開してもらって、売上の動向をチェックするとか。
そうすれば今まで売れていなかったお店でも大きく結果がでるかもしれない。
これからは一方通行的に出版社がただ書店に置いてただ売るというのではなく、出版社と書店とが密に連携して「売る努力」をしていかなければいけないのではないかと思います。

「ライトノベルは売れるジャンルだからとりあえず参入しよう」もいいのですが、参入するならこういうこともしていってほしいし、新規参入してきた出版社に売り場を取られたくないレーベルもやっぱりこういうことをしていってほしい。これはライトノベル業界に限ったことではないと思います。これからは「本をただ売り場に置く」だけじゃダメだし、マンパワー的に一部の書店員に「売ってもらう」だけでもダメだと思います。

地方であろうと、都心であろうとこういう取り組みをもっとしてくれる書店・書店員が増えてくれば出版業界はまだまだ面白いことができるのではないでしょうか。特に今の時代はインターネットが発達し、地方の差というものがなくなりつつあります。こういったツールを使いこなし、出版社・取次・書店と密に連携をとれるような動きを創り出して生きたい。

あとは、こういうことを考えて売り場を作れるスタッフさんを作っていく場が圧倒的に足りないのも問題なんですよねぇ。売れるアイテムってのはどうしても店ごとに変わってくるし、そういうことを把握できるってのも一つの才能だから、ダメな人は全くダメなんですよね。一律的にジャンル勉強会あっても、通り一辺倒なやり方の説明しかできないのがなぁ。
「仕事が出来る書店員の育成」ってのも店ごとにまかせるのではなく、これも業界全体で取り組んでいってほしいなーって思ってるので、この辺も自分の力になれることがあれば積極的に協力していきたいですね。


なんか同じこと何度も書いてて無駄に長くなった感がありますが、自分の考えをまとめるってことで。
後から読み返して恥ずかしくなるんだろうなーとも思いながら記事を書いてみました。これを読んだ書店員さんが何かしら思うところがあれば幸いですね。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://trumpe3128.blog.fc2.com/tb.php/145-23f122bf

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

トランペ

Author:トランペ
ライトノベルを売る毎日

連絡がある方は↓まで。
mail: trumpe3128☆gmail.com

☆→@に変えてどうぞ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

検索フォーム

アクセス

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。