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書籍の返品についてのお話

返品率のお話。

前回の書店ブログから1か月以上開いてるということに、時間の進む早さに驚愕。……ごめんなさいなぐらないで。
発注編に入る前に返品率についてのお話がちらっと出たので、今日は『本の返品』についてお話しようかと。
「返品率」という数字の僕なりのアプローチと言った方が正しいでしょうか。結論から言うと、どれだけ返品率を抑えつつ売上を伸ばすことができるのかというお話。

これも売上取るための重要なファクターです。嘘じゃありません。別に発注の記事が思ったより長くなりすぎてなんか面倒になってきたから他の記事でお茶を濁そうとかそんなこと考えてません。本当ですよ?


ここでは当然文庫ジャンルについての返品についてなので、常備とかは完全に除外してます。毎日入荷する謎商品もほぼないので、文庫はわりかし返品率コントロールがしやすいジャンルかと思ってます。

さて。

そもそも「返品率」とはなんでしょうか?
書籍の入荷数に対してどの程度の冊数を返品するかという率です。読んで字の如し。
正確には本一冊ごとの値段が違うので、「入荷した分の金額」に対して、「どれだけの金額を返品したか」という計算で算出されます。
例えば500円の本を入荷したとして、別の600円の商品を返品してしまうと返品率は120%になってしまうわけですね。とはいえ文庫の値段の誤算なんて、せいぜい百円~数百円ぐらいなので、以下わかりやすく冊数で説明していきます。


基本情報として、現在出版業界全体での平均的な返品率は40%程度だといわれています。乱暴に言えば、例えば10冊本が入荷したとしたら、4冊は返品することになるわけですね。
書店業をやってる人たちは感覚がマヒしているのかもしれませんが、納品した商品の半分近くが返品されてくる業界ってよく考えると異常です。
返品された商品に関して、出版社は当然書店側にお金を返さなければならなくなります。だから出版社側は『返品されてきた分のお金』を補てんするために、『新しい新刊を発行する』という自転車操業を繰り返しているのです。知らない人から見たら嘘みたいな話かもしれませんが本当です。
そのおかげで現在の出版業界では平均して、「毎日」200タイトル近くの新刊が発売されているらしいです。
書店側としても、基本的に商品はいくらでも返品がきくし、毎日勝手に商品が何百冊と入ってくる。
心ない人が「書店業なんてきた本並べてればいいだけの楽な業種」とか言っていたのを聞いたことがあります。「よしじゃあお前ちょっとやってみろ」と言いたいところですが、『きた本を並べるだけ』の仕事しかしない人がいるというのも厳然たる事実。まぁこの辺は店の教育とか採用とかが関わってくるのですが。

話を戻しましょう。
新刊が毎日200点発行される。そして新刊が全部1冊しか入荷しないなんてことはないでしょうから、毎日 200×n という数百冊以上もの本が書店には搬入されるわけです。それらの本のうち4割が返品されるとなると……想像するだに恐ろしい数ですね。
まぁ発行された新刊全部入るということはないので、あくまで理論上でのMAXの数ということではありますが。それでも膨大な量の『新刊』が毎日書店に入ってくるというのは事実。
とはいえ、新刊は当然返品なんてしないので、返品するのは当然「既刊在庫」です。
(これは文庫やコミックに限ったお話。人文書などのジャンルはよくわからない出版社の新刊なんかをそのまま送り返すなんてことも割とザラにある)
単純に考えて200点の新刊がでるのであれば、棚から毎日200冊は返品されるわけですし、当然、平台にある既刊を新刊のために開けるでしょうから、その分も返品されるでしょう。
新刊の入荷数(入荷金額)に対して、どれだけの既刊を返品するのか。と言うのが返品率の考え方ですね。ものすごい無駄な説明多いですが。ゆるして。

しかし、返品する本はなにも新刊と入れ替わるだけという理由ではありません。返品するシチュエーションを書きだしてみましょう。

① 新刊との入れ替え
② 日焼けした商品の交換
③ フェア台の入れ替え
④ 破損品
⑤ 余分に入荷した商品の返品


②の日焼け品なんかは、「日焼け=売れない」商品ということで、新刊の入れ替えに巻き添えを食うことが多いですね。「担当が好きな作品が売れないけど絶対に置いてきたいタイトル」なんかは割とこれに該当します。アレとかアレとか……。
あとは『棚1セット』というセット商品をとって、総入れ替えということもあります。
なんでこんなセットを発注するかというと、お金の都合とか、セット注文すると新刊配本増えたりとか、しおりのセットがついてたりとか……あぁそうさ! おまけ目当てだよ! 悪いか!? ソフトバンクめ!

④の破損品も少数ですね。入荷時のバンド跡(特にコミックに多い)や、まれに製本ミスなんかもあります。最近は製本技術の向上で、こういう本の方が逆に珍しいですね。年に数冊程度じゃないでしょうか

ここで返品率を下げるのに重要なのは①と⑤です。
先に①の新刊入れ替えについて説明しましょう。
文庫の新刊について言うと、新刊が入ってきた時、基本的に前月の新刊が置いてあった場所とそのまま入れ替えます。新刊台が狭い店だと別のレーベルも巻き添えをくいますが。
ということは、どれだけ前の月の新刊を減らしておくか(つまりどれだけ売るか)が肝心なわけです。
といっても基本的に新刊の配本数は『実績配本』といって、前の巻がどれだけ売れたのかというデータをある程度元にして取次or出版社側が入荷数を決めている(出版社によっては自分で入荷する数を指定することもできますが)ので、そこまで前月の新刊が余ると言う事態にはならないのですが。
うん。ならないはずなんだよね。ならないはずなんだよ……。
件の実績配本がよほどうまいこと機能していれば、書店員は毎日毎日頭を抱える必要がないんですよ。ええ。
問題なのは、「実際に何冊売れる」のかという上限がハッキリ見えないところなわけです。まぁ小売業なら当然ではありますが。
理想的な冊数で言えば、発売して1か月の後の在庫数が1~3ぐらいになるようにしたいところ。
余りすぎてもダメ。売り切れてもダメ。
そういう絶妙な冊数調整が膨大な新刊点数1点1点に求められるわけです。そこが大変なところであり、書店員として腕の見せどころの一つでもあります。
因みにそんなに上手く在庫の数が調整できることなんて実際にはありません。むしろほぼゼロです。なぜなら『どれだけ売れるかわからない』以上、残り少なくなったら追加発注するのが普通ですし、人気商品は大概売り切れる・有名タイトルは入荷数多くて、1か月じゃ捌ききれない・新人の新作が全く売れないetc……。
特に新刊に関して言えば、発売日に追加発注するぐらいじゃないと追加分が入ってきません。
なので、「発売日の入荷数+発売日に発注した分の入荷数=1か月の最適販売数」 となるような発注をしなければいけないわけです。更に発注しても調整が入ってうんたらかんたら……この辺の詳細は発注編で語りましょう。

つまり、新刊だからと言って、めったやたらに追加してしまうと、次の月に発売する新刊の入れ替え時に無駄に入荷させてしまった分の商品を返品しなければいけないわけですね。
こうなると当然返品率はあがってしまいます。
文庫の場合、前月の新刊が返品の多くの割合を占めているので、ここをどれだけ抑えられるかで返品率はかなりコントロールできるとかと思います。


では次に⑤について説明しましょう。
新刊のところで説明した、「多く発注した追加分」も『余計な入荷商品』ではありますが、ここでいう余分な商品というのは、書店と取次で行われるシステム上のこと。
近年はPOSの導入により、レジで販売した情報がそのままダイレクトに取次へ反映されることが多くなりました。未だにスリップ管理しているような小さなお店は別かと思いますが、いわゆる『郊外型』と言われる大型書店の殆どはPOSで売上をデータ管理しているかと思います。少なくとも僕のお店はそうなので、以下は割とこの辺のことを前提に記述していく感じ。
ここでいう余分に入荷する商品というのは、

・頼んでもいない商品が勝手に入荷する
・1冊しか注文していないのに同じ商品が2冊入荷する

の2パターンです。
前者は、自分が勤めている店が出版社との付き合いで商品が勝手に発注されてたり、本部が勝手にセットを発注してたりと、大きい系列店なんかではこのような、『自分以外が発注した商品』が入ってくるパターン。酷い話になると、取次が、前月の新刊を勝手に送りつけてくる場合もあるらしいです。僕は流石にそれは体験したことはありませんが、そういうお話を聞いたことがありますね。
当然売り場の面積は限られているので、自分が置こうと思ってた以上の商品が入ってくれば、その分返品せざるを得ません。とりあえず、こういう規定外の入荷はマジ勘弁。
後者の場合は、おもにシステム上での不具合が原因です。これはデータ管理しているお店だからこそ起きてしまう謎の現象。
いやまじであるんですよ。少なくとも僕が在籍した経験のある2社は、別々のシステムでしたが、両方ともこの現象起きてました。
恐らくは『ていばん』『基本在庫』と言った、取次が定めている売上上位タイトルがあるのですが、これが勝手に発注されてしまい、自分が発注したものとだぶって入ってくる……。んだと思うのですが、原因は不明。
この現象によって余分に入ってくるのは1日10冊程度なんですが、これが毎日続けば月300冊。年間3600冊にもなります。かなりざっくり計算ですが。少数でも積み上げてしまうと、年間ではかなりのロスになっていることがわかりますね。
どうでもいい情報を出すと、『勝手に商品が入ってくる』は僕が嫌いなこと第3位です。

そして③のフェア台入れ替えですが、これはどの程度の規模のフェアをしているのかで結構変わってきます。
大きく展開しているのを入れ替えれば当然返す冊数は変わってきます。
平台にある動きが止まったようなタイトルを数タイトル返品するぐらいなら、100冊程度でしょうか。

以上が、本を返品する基本的なシチュエーションです。
しかし返品率が上がるとなぜだめなのでしょうか?

本という商材は、基本的にどれだけでも返品することが出来る、小売業としてはかなり特殊な商材です。
返品しても原価分のお金は返ってくるのですから、売る側としては、『売り切って売り損じ』を発生させるよりも『大量に入荷して余る』方がまだましなわけですね。なんせどれだけ商品が余っても理論上損しないわけですから。
とはいえ、返品するときには当然商品の輸送料もかかるし、返品処理するために人件費もかかる。納品した商品が全く売れずに返品されてきたら出版社側もいい印象を持たないでしょう。となると当然将来的な配本にも影響してきます。
『返品率を抑える』というのは『売上をとる』という店の純利益ではなく、マイナス分を減らすという行為でしょうか。たとえどれだけプラスとしての売上を上げても余計な出費を出してしまっては意味がありませんしね。
当然返品する手間が少なくなれば、売り場にかけられる時間も増えてきます。そうなれば売上も伸びる可能性も増えます。あとは個人的に数字が減ると気分がいい。これ重要。

つまり! 何が言いたいかと言うと、

『売上取りながら、返品率下げるって大変だよね!』 

ってこと。
無駄な入荷を極力抑えつつ、売れるものは限界まで売る。これぞ優秀な書店員。つまり僕のことだな!

……ごめんなさい石を投げないで。


ちなみに僕は、現在20%前後の返品率で日々お仕事をしているのですが、この間衝撃的なことを言われました

「返品率が25%以下だと売上ロスしている可能性があるよ」

なん……だと!? 
つまり品切れ商品を多くおこしていると?
いやいやいやいやそんなバカな。売れ筋タイトル全部そろってて、夏アニメのタイトルも神メモ6巻ぐらいしか品切れさせなかった僕の商品処理能力にまだケチをつけると?

まぁ確かに1冊しか並んでない商品より、10冊並べてある商品の方が購買意欲は高まるし、もし欲しい商品が1冊しかなくて、それが汚かったりしたら別の店で綺麗な状態の買った方がいいという人もいるでしょう。『多いからこそ売れる』ってのは確かにあるんだけど……。
いや、それでも僕は、返品率を極限まで下げる方向で仕事をしていきたい!
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